就職が決まらないから文系大学院進学はダメ絶対
どうもこんにちは、ナージフです。
今回は大学院進学についてお話しようと思います。
文系についてのお話になります。
理系の方は当てはまりませんのでご注意ください。
さて、私は、文系大学院に進学して、
体調を崩して、そのまま退学したという非常に残念な感じなのですが、
そもそも体調を崩す原因になったのは、
大学院に進んだあとの、進路についてでした。
もともと研究者になる予定でいたのですが、
大学院の授業に出るなかで、
「どうせ自分たちは世間の役に立たない研究をしている」
「社会に必要とされない人間」
等々ネガティブな雰囲気と、
文系大学院進学者はろくな就職がない等々の情報、
そもそものリスクヘッジをしていなかったことから
体調を崩したわけです。
※正直全部自分の覚悟の不足と、準備の不足、
情報不足、リサーチ不足が原因です。
この記事では、かつての僕のように、自分ではよく考えたつもりでも、
実際のところ甘々な、
意識するしないにかかわらず、
安易といわれてもしょうがない状態で
文系大学院に進学しようとする方に向けて書いていきます。
文系大学院は「入院」すると揶揄される
文学研究科を筆頭に?文系大学院ではその社会性のなさから
文系大学院に進学することを「入院」すると表現することがあります。
実際に、研究者というのは、
普通一般の感覚からすると、
正直どうでもいいようなことを探求していくことを生業とする人種ですので、
一般的な感覚から外れた人も多いです。
まあ、面白いので僕は好きなのですが。
で、研究というか、そっちの道に行けば行くほど、
社会的な価値観からは乖離することが多いです。
もちろん人によりますし、優秀な方なら、
乖離しても、いざ就職活動をするときには、
修正出来る方もいると思います。
まあ、たいていの場合は、
そうでないことが多い気がしますが。
研究分野にもよりますが、
主に文献調査を中心にしていると、
必然的にコミュニケーションの数が減るので、
企業がもっとも欲しいコミュニケーション能力が退化していきます。
以下では
求職者と企業双方のメリットデメリットを考えていきます。
文系大学院進学のメリット:就職活動が2年延期できる
正直、これだけです。就職活動をしたくない。それはまあきっと誰もがそうだと思います。
実際日本最大の自動車会社に就職した同期も、
もう二度とやりたくないと言っていました。
世間的に見れば有利で、
大成功と言っていい就職活動をした人でさえそうなのですから、
そうでない場合もおおい就職活動は、
延期できるなら延期できるに越したことはないと考える人が大半ではないでしょうか。
文系大学院進学のメリット:基本給が上がる
就職情報を調べてみると、大学院卒業者の給与は、
スタートの基本給が2万円程度上がることが多いですね。
これは確かに経済的な利益があるように思いますし、
やや気分もいいかもしれませんが、
実はよくよく考えると、
大した得になっていないことは十分に考える必要があります。
文系大学院進学のデメリット:2年遅れるから基本給が上がっても実は損している
ここでは、全員一律で昇給したと仮定して話を進めますが、
基本給が上がって、2万円プラスでスタートしたとしても、
実は、得られたはずの利益を失っています。
つまり、大学院に行っている2年間、もし就職して働いていたら得られたはずの利益です。
得られたはずの利益のことを
機会費用、オポチュニティーコストと言ったりします。
もちろん、大学院で自分がやりたい研究をすることは
金銭では代えられない価値があることもありますが、
その間に働いていたら数十万円から数百万円の収入があったはずなのです。
仮に、1ヶ月20万円の給料が入っていたとすると、
20万円×2年間=20万円×24ヶ月=480万円
もしボーナスがあればそれ以上ですね。
昇給が一律の場合、
仮に2万円同期よりも給料が多かったとしても、
480万÷2万=240ヶ月=20年の歳月が経ってようやくペイすることになります。
さらにここに大学院に支払った入学金や授業料等が加算されますので、
その差はもっと大きくなります。。
もちろん、実際には常に2万円多いとは限りませんし、
そもそも20年同じ会社にいることも少ないと思います。
また、よほど優秀でヘッドハンティングでもされない限り、
転職でステップアップできることも多くはないでしょう。
大抵の場合は、最初に就職した場合よりも条件が下がることが多いはずです。
そういった諸々を考えると、目先の2万円は多くの場合、
まったく得になっていません。
得られたはずの利益、
機会費用を自ら放棄しているというのが正しいと思います。
社会人経験
年齢的に近い、既卒者や第2新卒者をはじめ、多くの企業で評価されるであろう社会人の基礎経験も、
大学院卒業者は、まったく経験する機会を得ることができません。
まあ当たり前ですね。
正直、高卒で働いている人のほうが、
そのあたりの経験ははるかに充実しているでしょう。
次に、企業側から文系大学院生を採用することについて考えてみます。
会社にとっての文系大学院生を取るメリット
正直よほど優秀でない限り、
会社にとっての文系大学院生を取るメリットはないと思いますが、
企業にとってのメリットを考えてみます。
現実問題として、現在の大学は学問をする場所というより、
就職予備校的な側面が強いと思います。
企業の採用活動が実質新卒一括採用になっているので、
それをどうこういっても仕方がありません。
自分のコントロールが及ばないことに
文句をいっても始まりません。
話が脱線しましたが、そういった状況の中で、
一応真剣に学問をやってきた人をとることが出来るというのが、
唯一残された文系大学院生を採用するメリットでしょうか。
調査業務やレポート業務等研究要素が強い仕事なら、
ある程度使いみちがあるかもしれませんね。
ただ、
それは大学院を修了していないとできないのか、
大学卒でもできる仕事ではないのか、
わざわざ基本給の高い大学院卒者を取ってまで
やるメリットがある仕事なのかは十分に考える必要があると思います。
つまり、
企業からみれば、代替手段であり、
求職者から見れば競合の存在になりますが、
営利企業であれば、同じ仕事なら、安くやってくれる人に頼むのが当然ですね。
会社にとっての文系大学院生を取るデメリット:基本給が高い
求職者から見れば、一見メリットに思える基本給の2万円プラスですが、
給与を払う側からすれば、余計なコストが2万円増えるわけですから、
学卒者の働き以上に2万円以上利益を出して貰わなくてはいけません。
そうでなけば、全く意味がありません。タダの金食い虫です。
会社にとっての文系大学院生を取るデメリット:大学新卒者と変わらない。
文系大学院生の学卒プラス2年間でどれだけ企業にメリットのある経験が出来るかといえば、
正直微妙と言わざるを得ません。
雇う側からすると、
部活でもやって、集団行動をしてくれた方がずっといいと思います。
また、調査能力も、優秀な学卒者と大きな差があるかといえば、
それも微妙なことが多い気がします。
会社にとっての文系大学院生を取るデメリット:扱いづらい
率直に言って、文系大学院にわざわざ行こうとする人は、
プライドが高いことが多いと思います。
特に、大学院に行って、学卒よりもいい就職をしたいなんて場合はそうでしょう。
また、人によりますが、文系大学院はその性質上
コミュニケーションの素振りが少ないことから、
対人関係に難があることも多いと思います。
また、文学研究科など、文献調査をメインに行う場合は、
特に問題がある場合が多い気がします。
また、そういう余計なプライドを持っていると、
実戦経験や実績もないにも関わらず、
人の言うことが聞けなかったりします。
上記の対人関係に難があるというのもその影響ですね。
まとめると、ただプライドが高くて給与も高くて、
頭でっかちで扱いづらくて、人によっては対して能力も高くなくてと、
わざわざ取るメリットを見つける方が難しい人間ということになります。
もちろん、そうならないように、
文系大学院生は十分に気をつけなくてはいけませんね。
それでも文系大学院に行きたいなら
とまあ、色々文系大学院のデメリットを上げてきましたが、
それでも自分は大学院に行きたいというなら、
覚悟を持って行ってほしいなと思います。
おすすめしませんが。
また、文系大学院は正直就職には全くメリットがありませんが、
自分で商売を始める分には、ほとんどデメリットがありません。
就職からの逃避で文系大学院に行こうとする人は別にして、
もともと研究者志望で、文系大学院に行くような人間は、
ある程度の勉強力があることや、
粘り強さがあることが多いですし、
コンテンツをもっていることも武器になります。
研究に注ぐような情熱をもって、
しっかりビジネスの勉強をしてそれを実践していけば、
十分に結果を出すことが出来ると思います。
注意点としては、
研究者志望の場合、お金に対する意識、
マインドが商売に向いていないことが多いので、
そこをまず超えるのが大事かなと思います。
僕もそこに結構な時間がかかりました。
もちろん、文系大学院生活を活かせるかどうかは、
どんなビジネスを選ぶかや、
ビジネスの勉強次第なので、
結局自分次第ですが、僕は応援していますよ。
参考になれば幸いです。